社畜ライターのチラ裏

社畜ライターが仕事から離れて好き勝手に書くブログ。

あの時の夢はどうなった。

中学生の夏休み、ある計画を立てた。自転車で隣の隣の市まで行って、花火を見よう。そう友達と計画していた。僕の生まれ育った県は比較的広く、隣の市まで行くにもなかなかの距離がある。車や電車で1時間もかかる距離だ。自転車で行くには、劇場版ドラえもん並みの大冒険だと思っていた。60キロ程度の道のりだ。今思えば、頑張ればそう大変な距離ではなかったように思う。ドラえもんのテレビスペシャル程度の冒険で済みそうだ。

 

結局その計画は実行されることはなかった。理由は覚えていないが、たぶん大した理由ではない。誰も本気でやろうなどと思っていなかったんだと思う。

 

10年以上が経った今でも、実はこのことは心にしこりとして残っている。やっておけばよかったな、と。もしも実行し、達成していればそれはとてつもない成功体験になっていたはずだ。仮に失敗していたとしても、その挑戦は誇れることだし思い出にもなる。10数年前の僕たちは、10数年後の思い出話を捨て去っていた。

 

今でも遅くないだろうか。距離だけならクロスバイクで3、4時間程度の距離だろうか。ママチャリでも休憩込みで6時間ほどか。それくらいの体力、アラサーの僕にもある。割と余裕で走破できるはずだ。そこに達成感はあるだろうか。

 

もしかしたら、もう遅いかもしれない。60キロ程度の道のりを自転車で走り、花火を見る。大して難しい話ではない。きっとそこまでの達成感は得られないだろう。しかし、しかしだ。きっと当時には感じられなかった別の何かを感じることができる。そう思う。あの時に諦めた夢を、今叶える。それはそれで、きっといい。数十年後、人生を振り返ったとき。そのときに、やり残したことがひとつ減る。後悔が消える。そうだ。僕は人生に後悔したくない。

 

それならば、行こうじゃないか。60キロの道のりを。自転車で、花火を見に行こう。そうすれば、中学生だった僕に出会える。僕の中の成長せずに止まっていた中学生が、大人になる。そう思うんだ。

 

そうと決まれば善は急げ。早いうちに達成しておきたい。そのためにはまず、数百キロ離れた地元に帰ることから始めなければ。たまの帰省も悪くない。もしかしたら、中学の時の友達にも会えるかもしれない。同窓会以来だ。死にかけのジジババにも顔を見せよう。後悔しないために。